採用ブランディングとは?成功ポイントやフレームワーク、よくある失敗例を解説

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採用ブランディングとは、企業の魅力や価値観を戦略的に発信することです。この記事では、採用ブランディングのメリットや実施手順、フレームワークについて解説。さらに注意点やよくある失敗例も紹介します。「応募数が増えない」「ミスマッチが減らない」など採用に関する悩みを抱えている方はぜひチェックしてみてください。

目次

採用ブランディングとは?

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採用ブランディングとは、企業が求める人材を効果的に引き付けるための戦略的なアプローチのことです。多くの企業が優秀な人材の確保に苦労しているなかで、採用ブランディングはその解決策として注目されています。

採用ブランディングを効果的に行うことで、企業は自社の魅力を最大限に引き出し、求職者に強い印象を与えられるでしょう。

企業ブランディングとの違い

採用ブランディング 企業ブランディング
ターゲット 主に求職者(潜在的な候補者) 顧客、株主・投資家、取引先、社会全体、現社員など、すべてのステークホルダー
目的 「働きたい」と思える魅力の醸成と、自社に適した人材の獲得・定着 企業価値・信頼性の向上と、事業の競争力強化・持続的な成長
発信の軸 働く場所としての魅力(企業文化、成長機会、ビジョンへの共感) 企業全体としての価値(製品・サービスの品質、社会的責任、企業理念)
アプローチ 社員のリアルな声や独自の働き方など、インナー要素を重視した情報発信 製品の差別化や一貫した企業メッセージなど、アウター要素を重視したコミュニケーション

採用ブランディングは企業ブランディングの一部ですが、ターゲットと目的が明確に異なります。

企業ブランディングは、顧客や投資家など全ステークホルダーが対象です。企業全体の信頼性や価値を市場に伝え、事業の成長を目的に行われます。

それに対して採用ブランディングは、主に求職者がターゲットです。「働く場所としての魅力」に焦点を当て、優秀な人材の獲得と定着を目指します。

採用ブランディングが必要とされる理由

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近年、優秀な人材を確保するために、採用ブランディングが注目を集めています。ここでは、採用ブランディングが必要とされる主な3つの理由について解説します。

人材獲得競争の激化

採用ブランディングが必要とされる理由には、優秀な人材を確保するための競争の激化が背景にあります。近年の少子高齢化や労働市場の変化から、企業はより魅力的な雇用条件を提示しなければなりません。

採用ブランディングを通じて、自社独自の価値観や文化を明確にして求職者に共感を呼び起こせると、競争の中でも優位に立てるでしょう。求職者にとっても自分に合った企業を見つける手助けとなります。

採用コストの削減

採用ブランディングが必要とされる理由の一つに、採用コストの削減効果があります。効果的なブランディングによって、応募者が集まりやすい環境を構築できるため、広告費やリクルーターの人件費の削減が可能です。

さらに、採用ブランディングによって、求職者が企業の価値観や職場環境を事前に理解しやすくなります。応募者の質が向上し、面接や選考にかかる時間の短縮にもつながるでしょう。

ミスマッチの防止

採用ブランディングが必要とされる理由には、求職者と企業のミスマッチ防止もあります。企業のビジョンや価値観が明確に伝わると、求職者は自分に合った職場であるかを判断しやすいです。

さらに、採用ブランディングを通じて新入社員が企業の文化に適応しやすくなるため、職場環境に満足し、長期的に働く意欲を高められます。適切な採用ブランディングは安定した人材確保につながるため、企業の成長を促進するうえで欠かせません。

採用ブランディングの主な3つのメリット

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採用ブランディングは、採用に関することだけでなく、企業にとってさまざまな良い影響を与えます。ここでは、適切な採用ブランディングによって得られる3つのメリットについて解説します。

求職者の質の向上

採用ブランディングによって、企業にマッチした優秀な求職者を引き寄せられる点がメリットです。明確な企業ビジョンや価値観の発信によって、求職者は自分がその企業にフィットするかどうかを判断しやすくなります。

さらに、採用ブランディングを通じて企業の強みや独自性を強調すると、求職者にとっての魅力度が増し、競合他社との差別化を図れます。求職者の応募意欲を高めるだけでなく、応募者の質が向上し、採用後のミスマッチを減少させられるでしょう。

社員の定着率アップ

採用ブランディングは、社員の定着率を高められるメリットもあります。企業のビジョンや価値観を明確に伝えることで、社員は自分の働く意義を再確認でき、企業への帰属意識が高まるためです。

採用ブランディングによって企業文化や職場環境の一貫性を保つことで、社員は安心して働けます。長く働き続けられる環境が整い、企業が安定して成長できる基盤を築くことが可能です。

企業イメージの向上

採用ブランディングによって、企業のイメージを向上させられる点もメリットの一つです。企業が発信するメッセージやビジョンが明確であればあるほど、求職者や社会全体に対する企業の印象が良くなります。

また、企業の社会的責任(CSR)活動や環境への配慮など、採用ブランディングを通じて社会貢献に関する情報を積極的に発信すると、企業の信頼性の向上にもつながります。顧客や取引先からの評価も高まり、企業全体の成長を促進できるでしょう。

採用ブランディングを成功させるには、適切な手順で進めるのが大切です。十分な効果を得るために必要な6つの実施手順を把握しましょう。

1.目的と課題を明確にする

採用ブランディングを始めるにあたり、まずは目標と現状の課題を明確にするのが重要です。具体的には、採用人数や離職率などの定量的なゴールを設定します。そのうえで自社の強みや魅力、採用における競合他社との違いを徹底的に分析しましょう。

採用ブランディングで今後アピールすべきポイントを客観的に把握して、戦略の土台を固めることが重要です。

2.求める人物像(ペルソナ)を設定する

次に、採用ブランディングを成功させるための準備として、自社の将来的なビジョンや事業戦略に必要な人物像を具体的に描きましょう。単なるスキルや経験だけでなく、「どのような価値観を持つ人か」「情報収集はどこで行うか」といった詳細なペルソナの設定が重要です。

ペルソナの設定によって今後のアクションに一貫性が生まれ、ターゲットに企業の魅力が伝わりやすくなります。

3.採用メッセージ・コンセプトを設計する

ペルソナを定めたら、最初に分析した「自社の魅力」と「設定したペルソナ」の共感できる接点を特定します。 この接点こそが、採用活動の核となる一貫したメッセージ・コンセプトです。 そのメッセージを採用活動全体で一貫して発信できるように設計しましょう。

たとえば、「挑戦を楽しめる人とともに未来をつくる」といった、自社の価値観を端的に示すコンセプトを定めます。設計したコンセプトは、採用ブランディングにおけるすべての採用ツールや発信内容の軸となるでしょう。

4.情報を発信するチャネルを選択してコンテンツを作成する

採用ブランディングを実施するにあたり、「設定したペルソナ」に対して「設計した採用メッセージ」を最も効果的に届ける発信手段を選択しましょう。採用サイト、SNS、オウンドメディア、イベントなど、チャネルごとの特性を理解し、コンセプトに沿った具体的なコンテンツの作成・発信が大切です。

発信する内容に一貫性を持たせ、ペルソナの心に刺さるリアリティのある情報を工夫して届けることが採用ブランディングを成功させる鍵となります。

情報発信するチャネルについて詳しくはこちら

5.インナーブランディングを実施する

採用ブランディングを成功させるには、対外的な発信だけでなく、社員の理解と協力も不可欠です。設計した採用メッセージや自社の魅力を全社員に共有し、浸透させるための研修や周知活動を行いましょう。

社員一人ひとりがブランドを体現することで、求職者との接点におけるメッセージのブレを防ぎ、入社後のミスマッチを軽減させます。

6.効果測定と改善を繰り返す

実施して終わりではなく、必ず振り返りを行い、改善策を講じましょう。採用活動で得られた応募数、辞退率、定着率などのデータを定期的に集計・分析し、ブランディング施策の効果を客観的に評価します。

当初の目的に対してどの程度達成できたのかを分析し、発信内容やチャネル、ペルソナ設定などを適宜見直します。

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採用ブランディング実践時の注意点とよくある失敗例

採用ブランディングを実践するとき、実態に沿わない短期的な効果を狙ったブランディングでは、信頼を損なうおそれがあります。ここでは、採用ブランディングを行う際の注意点とよくある失敗例を紹介します。

「見せかけ」のブランディングをしない

採用ブランディングでは、「見せかけ」でブランディングをしないように注意が必要です。採用ブランディングにおけるよくある誤解の一つが、単に企業のイメージを良くするための広報活動やデザインだと考えてしまうことです。

本質は、自社の独自の価値観や働く魅力を深く掘り下げ、求職者に具体的なメリットとして伝える「言語化」にあります。短期的な効果を期待せず、長期的な視点で、企業の本質と一貫したメッセージを発信し続けることが大切です。

【失敗例】

  • SNS広告で魅力的な動画やビジュアルで話題を集めたものの、実際の職場環境や仕事内容が伴わず、入社後すぐに離職した
  • 「人気企業っぽい」他社のスローガンやキャッチコピーを参考にしすぎて、自社の価値観が伝わらず差別化できなかった
  • ブランドイメージ重視でデザイン性ばかりを追求し、仕事内容や求める人物像など本質的な情報が不足しており、表面的な「おしゃれな採用サイト」を作っただけで終わった

ミスマッチを招く情報開示をしない

採用ブランディングにおいて、ミスマッチを招く情報開示をしないように注意が必要です。採用ブランディングで発信する「理想の姿」と、実際の職場環境が一致していないと、かえって求職者や社員に不信感を与えてしまいます。場合によっては、早期離職につながることもあるでしょう。

採用ブランディングで入社後のギャップを防ぐには、社員からのフィードバックを定期的に収集し、社内の雰囲気や働き方のリアルを外部に正確に伝える努力が大切です。

【失敗例】

  • 採用サイトや広報でビジョンを掲げても、社員自身が共感していないため面接や選考過程で一貫性が欠け、候補者が違和感を覚えて離脱する
  • 採用広報で紹介した社員インタビューで、一部の理想的な事例だけを切り取って紹介した結果、入社後に「実際の現場は違う」とギャップを感じる新入社員が続出し、不信感や口コミ低下につながった
  • 「柔軟な働き方ができる」とアピールしたが、実際にはリモート勤務がほとんど認められなくて「話が違う」と不信感を抱かれ、内定辞退率が上昇した

採用ブランディングに役立つフレームワーク3選

採用ブランディングでは、フレームワークを活用するとより深く広い視点での分析が可能です。採用ブランディングに役立つフレームワーク3つを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

3C分析

3C分析とは、「顧客(求職者)」「自社」「競合」の3つの要素から自社の立ち位置を把握するフレームワークのことです。採用ブランディングにおいて、求職者のニーズや採用市場における自社の立ち位置を図るのに役立ちます。

3C分析を使って自社や競合他社の強みや弱みを把握することで、求職者にアピールできる自社の要素を洗い出せるでしょう。

4C分析

4C分析とは、「価値」「負担」「利便性」「コミュニケーション」の4つの顧客(求職者)側の視点でニーズを分析するフレームワークです。採用ブランディングの実施にあたり、4つの要素を具体的に分析することで、自社の魅力やアピールポイントを明確にできます。

また、4C分析は、求職者に情報を発信する手法を選定する際にも活用できます。

SWOT分析

SWOT分析とは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素から自社の部環境と外部環境を分析するフレームワークです。採用ブランディングにおいて、SWOT分析は自社の現状と市場の動きを客観的に把握するために使われます。

また、SWOT分析では、「強み」と「脅威」を掛けあわせたり、「弱み」を「強み」に変えたりといったなど、要素の掛けあわせも可能です。それぞれの分析内容を組み合わせると、さらに競合他社との差別化が図りやすくなります。

採用ブランディングに活用できるチャネル

現代の採用活動では、さまざまなチャネルが活用されています。自社の採用ブランディングに合ったチャネルを選択し、効果的に発信するのが大切です。ここでは、採用ブランディングに活用できる4つのチャネルについてそれぞれ解説します。

採用サイト

採用サイトは、企業の理念、事業内容、働く環境などを体系的に発信する「情報発信の核」です。デザインやコンテンツを自由に設計できるため、採用ブランディングにおける企業独自のブランドイメージを深く、一貫性をもって構築できます。

採用サイトは、他のチャネルで興味を持った求職者が最終的に訪れる場所にもなります。社員インタビューなど、働くイメージを具体化できる情報を掲載しましょう。

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オウンドメディア

オウンドメディアでは記事やコラムを通じて、企業の文化、価値観、社員の日常などを詳細かつカジュアルに発信できます。共感性の高いコンテンツを掲載すれば、潜在的な転職層や若年層との関係性を長期的に構築する採用ブランディングも可能です。

たとえば、「開発における失敗談・裏話」や「社員のオフの過ごし方」など、よりリアルな人となりが伝わる情報を発信しましょう。採用サイトの補完として用いるのがポイントです。

SNS(X・Instagram・YouTubeなど)

SNSでの採用ブランディングは、企業の「働く場所としての魅力」を求職者に効果的に伝え、優秀な人材の獲得につなげられます。求職者が企業の価値観や雰囲気を重視する現代において、SNSは企業のリアルな姿を日常的に発信できる強力なツールです。

以下のように媒体によっても特徴が異なるため、目的に応じてSNSを選びましょう。

採用イベント・会社説明会

採用イベントや会社説明会は、採用担当者や社員が直接求職者と対面し、質疑応答やフリートークを通じて相互理解を深める場です。企業の「人」の魅力や熱意を最大限に伝えられるため、共感や信頼感を築くブランディングができます。

採用イベントや会社説明会はミスマッチを防ぎ、入社意欲の高い人材を獲得できる重要なチャネルです。

媒体 主なユーザー層と特徴
X(旧Twitter) リアルタイムの情報収集や、カジュアルな交流・拡散を重視するユーザーが多くいます。速報性や手軽さが特徴です。
Instagram 画像やショート動画といった視覚的な情報を好み、とくに若年層の利用が多くいます。感性や雰囲気を重視する特徴があります。
YouTube 動画を通じて、深い情報や具体的なストーリーを視聴したい層に向いています。長尺のコンテンツによる情報発信が可能です。

採用イベント・会社説明会

採用イベントや会社説明会は、採用担当者や社員が直接求職者と対面し、質疑応答やフリートークを通じて相互理解を深める場です。企業の「人」の魅力や熱意を最大限に伝えられるため、共感や信頼感を築くブランディングができます。

採用イベントや会社説明会はミスマッチを防ぎ、入社意欲の高い人材を獲得できる重要なチャネルです。

採用ブランディングに関するよくある質問

採用ブランディングに関するよくある質問をいくつか紹介します。採用ブランディングの実践前に不安を解消するために、ぜひ参考にしてください。

Q.採用ブランディングはどのような企業に必要ですか?

A.採用ブランディングは、とくに以下のような企業に必要です。

  • 応募数が少ない企業
  • 離職率が高い企業
  • 競争の激しい業界や市場にある企業
  • 知名度や待遇で大手に劣る中小・ベンチャー企業

採用ブランディングを適切に行うことで、自社の課題解決につなげられます。

Q.採用ブランディングにはどのくらいの期間で効果が出ますか?

A.企業の知名度や実施する施策の内容によって異なりますが、半年から数年程度で効果が出てくるケースもあります。採用ブランディングは、すぐに効果が出るものではありません。中長期的な視点で取り組むのが重要です。

Q.採用ブランディングにおいて社内の協力体制はどの程度必要ですか?

A.採用ブランディングを成功させるためには、全社的な協力が必要です。採用活動は人事部門だけの仕事ではありません。とくに現場の社員が日常の業務を通じてブランド価値を体現できているかどうかは、入社後の定着率に直結するポイントです。

採用ブランディングで優秀な人材から選ばれる企業に!

人材獲得競争が激化している現代において、優秀な人材を採用するためには、採用ブランディングが必要不可欠です。自社の魅力や価値観を、効果的な方法で戦略的に発信することが求められます。ぜひこの記事を参考に、採用ブランディングの適切な実施手順や注意点を把握し、優秀な人材から選ばれる企業を目指しましょう。

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